白黒の思い出(仮) ◆登場人物 名前:クロ 性別:オス 年齢:12歳 種族:黒猫 タイプ:盗賊  語尾に「ニャー」と付ける猫獣人。陽気な性格で、自分勝手な一面もあるが、シロリアのためなら自分の事など簡単に擲つ。 6歳の頃に戦争に巻き込まれ、両親が戦死。その時にシロリアと出会い、それから二人で生きている。  猫の素早さを利用した戦いが得意。スリも結構得意だったりする。 名前:シロリア 性別:メス 年齢:12歳 種族:白猫 タイプ:僧侶  病弱でおとなしい猫獣人。クロと正反対の丁寧な口調をする。病のせいで活発な動きを不得意だが、その独学の回復魔法の優秀さは一般の僧侶の回復魔法を凌ぐ。  クロと同時期に戦争に巻き込まれ、両親を亡くす。その時に出会ったクロと似た境遇から一緒に生活している。  しかし11歳の頃に発病。クロが必死に治療費に稼ぎ、いくつもの治療を試すも知れたものは余命3年という事だけ。  なんでも治す薬、という宝があると言う噂を耳にしてクロと友に世界中の宝を求めて旅をしている。 ◆物語 主人公の名前はロックス(仮)とする。 ●出会い 「ニャニャニャッ」  一匹の黒猫が陽気な鳴き声とともにに白猫の手を引いて酒場のドアを開けて入ってきた。 「シロリア、今日も外れだったけど次は絶対に見つけるからニャ!」  黒猫はシロリアと言う白猫の方に向き直り元気そうに言う。 「ふふ…うん。ありがとう。クロ。」  シロリアはクロとは対照的に元気がなさそうに笑う。 「ニャ!さっそく次の情報を探すニャ!」  そう言ってクロがこちらの方にやってきた。 「そこのお前、なんかものすごーい宝の情報もしくは宝持ってないかニャ?」  随分と失礼な物言いだ。 「…持ってたらどうすんだよ?」 「よこすニャ」 「クロ…!ダメよ。ごめんなさい、私はシロリア、この黒猫はクロ。訳あって世界中の財宝を求めているんです。何か…ありませんか?」 「…財宝で金持ちになりたいのか?子供らし」 「違うニャー!!!!!!!!!!!!!金目のものなんか興味ないニャ!!!これだから偏見は嫌いなんだニャ!!!!!」 「クロ、落ち着いて。…クロの言う通り私たちは金銀財宝などを探しているわけではないのです。」 「不愉快ニャ!もうコイツには聞かないニャ!行くニャ、シロリア!」 「あっクロ!どなたか存じませんがすみませんでした〜!」  クロはシロリアの手を握って行ってしまった。 ●事情  ロックスが酒場に入るとシロリアが一人いる。 「あ、この前の…あの時は失礼しました。」 「いや…気にしてなんかいないぞ。」 「でも貴方も悪いんですよ?正直私も不愉快でした。」 「…ぶっちゃけるな。」 「ふふ…えぇ。だってクロは私のために頑張ってくれてるんですもの。」 「どういう事なんだ?」 「私、少し前に病に罹ってしまいまして、余命があるんです。でも治療法がなくて、そのためになんでも治す薬という財宝を探して世界中を回ってくれてるんです。それを財宝目当てのトレジャーハンターと一緒にされては不愉快になるのも当たり前です。クロをバカにするのも許しません。」 「それは…。ごめんな…。俺が悪かった、偏見で物を語ってしまって。」 「いえ、分かってくれればいいんですよ。」 「あーっお前はー!離れろニャー!汚らわしいニャ!」  するとクロが現れてロックスとシロリアの間に割り込む。 「あぁお前か。この前はごめんな。今、事情を聞いたんだ。」 「はうん?謝るのか?じゃ許すニャ。」 「ありがとう。」 「お前、名前は?」 「ロックス。」 「そうかロックス、覚えたニャ。」 「お詫びと言っちゃなんだが、宝探し、時間がある時にでも手伝うよ。」 「分かったニャ。」 「ありがとうございます。」 ●失敗 酒場に入ると二人が机を挟んで話をしていた。 「はうん。」 「そんなに落ち込まないで、クロ。」 「またゴミニャー。すまないニャー。」 「いいのよ。私はクロが頑張ってくれてることが嬉しいのよ。結果じゃないわ。」 「そんなの…関係ないニャ。僕は早くシロリアの病気を治したいニャ。」 「どうしたんだ?」 「あ、ロックス。今回の宝も外れだったんだニャ。」 「おいおい、俺は置いてけぼりか。手伝うと云ったのに。」 「お前の都合に合わせるほど時間に余裕はなんだニャ。」 「あぁ…余命だな。」 「!なんで知ってるんだニャ。」 「あぁ、私が話したのよ。いけなかったかしら?」 「いや、シロリアがいいなら…辛いのはシロリアだからニャ。」 「ありがとう。」 「そうだニャ。これ、お前にあげるニャ。」 「いいのか?」 「はい、私たちにはゴミですけど、一応は財宝としてあったものですから、ロックスさんには役に立つかもしれません。」 「煮るなり焼くなり好きにするニャ」 「使い方違うわよ…クロ。」 ●クロの不安 酒場に入るとクロ一人で悩んでいる。 「どうした?シロリアは?」 「ロックス…シロリアは着替え中ニャ。…ちょっと僕は考えものニャ。」 「意外だな。」 「なにがだニャ。」 「悩むとか無縁そうだから、な。」 「また偏見かニャ?」 「ごめんな。で、考えものってなんだ?」 「…シロリアを連れてきたよかったかってことニャ。」 「確か、謎の病に罹ってるんだよな?」 「そうニャ。この旅が果てしなく辛いニャ。それに同行ニャんて…。」 「優しいんだな。」 「…違うニャ。僕はシロリアに生きてて欲しいだけニャ。いつ病気が治るかわからニャいし…。」 「治すんじゃないのか?」 「治すニャ!必ず治すニャ!…でもそれまでにシロリアが死んでしまったら意味がないニャ…。あ、そうだニャ、この話は秘密だニャ。シロリア、この話をすると顔を真っ赤にして怒って怖いんだニャ。」 「分かった。」 「話を聞いてくれてありがとうニャ」 ●白黒の手伝い1 「ニャ!ロックス!」 「おう。」 「こんにちは、ロックスさん。」 「あぁ、こんにちは。」 「今日は手伝ってもらうニャよ。」 「都合は大丈夫ですか?」 主人公 はい いいえ ▲はい 「じゃさっそく行くニャ。」 「砂漠の古びた都にあるという古の秘薬、それが今回ハントするものです。」 宝ゲット&ボス 「宝ニャニャ!」 「…どう?クロ?」 「ダメ…だニャ。薬の形状すらしてない、剣ニャ。」 「そう…。」 「ごめんニャ?」 「いいのよ、まだ機会はあるはずよ。」 「ニャ!…じゃ、これ、お前にあげるニャ。」 「俺は手伝いだぞ?これじゃ立場が逆だ。」 「いいんだニャ、お礼ニャ。」 「受け取ってくださいませ。」 「…分かった、ありがとうな。また出来ることがあれば云ってくれ。」 「ありがとうございます。」 「じゃ、早く帰るニャ!暑くて死にそーニャァー。」 ▲いいえ 「ニャー…じゃ少しだけ待ってやるから都合が合ったら話しかけるニャ。」 ●白黒の手伝い2 「ニャ!ロックス!」 「おう。」 「こんにちは、ロックスさん。」 「あぁ、こんにちは。」 「今日は手伝ってもらうニャよ。」 「都合は大丈夫ですか?」 主人公 はい いいえ ▲はい 「じゃさっそく行くニャ。」 「神秘なる森に存在する仙薬、それが今回ハントするものです。」 宝ゲット&ボス 「ニャ〜お宝ニャ〜。」 「どうだ?クロ。」 「…ニャ〜…ただの財宝ニャ。こんなのただのゴミニャ。」 「そうね…。生活費に必要な分だけ貰って行きましょう。」 「ニャニャ!こんだけあればいいニャ。ロックスも貰っておくといいニャ。」 いくら貰おうか? 5000 10000 30000 分岐 ▲5000(好感度アップ) 「そんだけでいいニャ?」 「あぁ、お前達より多く貰っちゃ意味がないからな。」 ▲10000(変化なし) ▲30000(好感度ダウン) 「そんなに持って行くニャ…?」 「あ、あぁ、せっかくだしな。」 「そうか、ニャ。」 分岐終了 「今回も外れだったニャ…。」 「いいのよ、クロ。いくらでも挑戦すればいいのだから。それに結果じゃないわ、私は嬉しい。」 「でも…シロリアには時間が…」 「クロは心配しすぎよ。」 「…まだ足りないくらいニャ。」 「…さ、今日はもう帰りましょう。」 「あぁ、またいつでも声をかけてくれ。」 「いいんですか?」 「いいもなにも、まだお詫びしきった感じがしないからな。なんなら最後まで付き合うさ。」 「ありがとうございます。」 「ありがとうニャ。」 ▲いいえ 「ニャー…じゃ少しだけ待ってやるから都合が合ったら話しかけるニャ。」 ●シロリアの不安 酒場に入るとシロリアが一人だけいる。 「あ、ロックスさん。」 「また一人か?」 「えぇ…まぁ。悩みが多い時期ですから。」 「自分で云うのな…。で、悩みってのは?」 「聞いてくれるのですか?」 「そこまで聞いて、聞かん訳にはいかないだろ。話してくれよ。」 「それではお言葉に甘えさせてもらいます。…クロの事なんです。」 「なんだ、お前もか。」 「?何の事です?」 「あ、なんでもない。(秘密だった…。)」 「…?」 「き、気にせずに続けてくれ。」 「…では。クロって私のことを心配しすぎだと思うのです。」 「無理もないことだと思うけどな。」 「えぇ、そうですね。心配してくれてることは素直に嬉しいんです。でもクロは逆に自分の身を案じないんです。守られてる私が云うのもなんですが、クロには傷ついて欲しくない!私のために…傷ついて欲しくない…出来れば私がクロを…守りたい!」 「でも出来ないんだよな。」 「はい…クロが傷つく度に私は…とても悔しいのです。なんで病気になんかなってしまったのか…。」 「(…互いが互いを心配か。いじらしいというか、なんというか。)」 ●白黒の手伝い3 「ニャ!ロックス!」 「おう。」 「こんにちは、ロックスさん。」 「あぁ、こんにちは。」 「今日も手伝ってもらうニャよ。」 「都合は大丈夫ですか?」 主人公 はい いいえ ▲はい 「じゃさっそく行くニャ。」 「亡き都に隠されていると云われる不死もたらす薬、それが今回ハントするものです。」 宝ゲット&ボス 「ニャ!宝〜ニャニャ〜!」 「…どう?」 「ふニャ…違うニャ。ただの盾ニャ。なにがどうしたら薬になるんだニャ!」 「そう…ね。ゲホ…。」 「シロリア?」 「ちょ、ちょっと咳が…ゲホッゴホッゴホッ」 「ニャ!ロックス!僕たちは先に帰るニャ!宝は貰ってくれニャ!」 「あ、あぁ。」 「しっかりするんだニャ…。」 「ありがとう、クロ…。ゴホッ…。」 ▲いいえ 「ニャー…じゃ少しだけ待ってやるから都合が合ったら話しかけるニャ。」 ●クロの心配 酒場に入ると、クロがシロリアの部屋の前にいる。 「シロリアは大丈夫か?クロ。」 「ロックス。ニャ…なんとか今は落ち着いてるニャ。」 「…浮かない顔してるな。」 「分かるかニャ?…嫌な予感がすんだニャ。」 「嫌な予感?」 「段々シロリアの容態が悪くなっているんだニャ。」 「杞憂じゃないのか?」 「違うニャ!長い間一緒にいるんだニャ、分かるニャ…。もうかなりの体力が無くなってるニャ。」 「そんなもんか?」 「連れてくるんじゃ無っかたニャ…。いや、今からでも…。」 シロリアの部屋 「……クロ…。」 ●シロリアのお願い 酒場に入るとシロリアが一人いる。 「ロックスさん…。」 「シロリア?浮かない顔してるな。」 「ロックスさん、お願いがあるんです。」 「どうしたんだ?突然。」 「…。」 「…まぁ、いいぜ。なんだ、お願いって。」 「ある森に連れて行って欲しいんです。本当は一人で行きたいんですけど…。」 「?クロに連れて行ってもらえばいいんじゃないのか?」 「クロに知られたくないのです。」 「なにか事情があるんだな。」 「はい。」 「その森ってのはどんなところなんだ?」 「花息吹く森シュンカです。目的地はシュンカの丁度中央の花畑、私とクロの始まりの場所、そして誓いの場所です。」 「へぇ、何をしにいくんだ。」 「ちょっと花摘みに。」 「(花摘み…?)」 到着 「やっぱり綺麗なところ…。」 「本当だな。」 「ここで誓ったのに…。」 「誓い?」 「クロ…嫌…。私だけが傷つかずに…クロが傷つくなんて…嫌…なんだから、全然嬉しくなんか…ないんだから…。」 「シロリア?」 「あ、すみません。これだけ花が摘めればいいです。帰りましょう。」 「いいのか?」 「はい、ありがとうございました。」 ●白黒の思い出・誓い 酒場に入るとクロとシロリアが話し込んでいる。 「シロリア、話があるんだニャ。」 「…なに?」 「もう、シロリアは休んでいるといいニャ。なんとか僕一人で薬は見つけてやるニャ。」 「やっぱり…その話。」 「ニャ?」 「嫌。絶対に嫌。」 「シロリア!なんで分かってくれないんだニャ!薬が見つかっても死んじゃったら意味ないニャ!」 「クロこそ、なんで分かってくれないの!約束したじゃない、誓ったじゃない!」 「約束…ニャ?」 「この花、覚えてるでしょ?」 「シュンカの花…ニャ。」 「あの時のこと思い出して…?」 「あの日、出会いの日。シュンカの森の近くで突然の戦争があった。不幸にもクロの住んでた村は戦線の中…突然の戦争のために避難も出来ず、村は滅びクロ以外、クロの家族さえも戦争に巻き込まれ死んでしまった、そして私は首都からの旅行中、やはり突然の戦争に巻き込まれ、私以外の家族は死んだ。  そして戦争が終わり、静寂、炎が爆ぜる音だけの世界で私たちは出会った。互いの事情を聞いて、お互いに似た境遇だったから支え合って生きる事にしたのよね。それが6歳の頃だった。  それからの日々、意外と寂しいとか、辛いとか思わなかったよ?楽しかったし、家族が死んだ不幸だって埋められるくらい幸せだった。不謹慎だと思うけれど、これで良かった…。そう何度思ったかな。それも全部クロのおかげ…。でもそれは11歳までの事。  11歳の誕生日の日。私は突然、倒れたらしいね。それが発病の時、ううん、本当はもっと前に発病していたのかもしれないね。クロは必死になって治療費を稼いでくれたね。どう稼いだかは聞かないけど…そのおかげで私は様々な治療を受けることが出来た。でも治らなかった。どんなに優秀な医者でも治せなかった、不治というより、謎の病だった。でも、少しだけ分かったことがあった、余命が…あと3年だと云うこと。  その時、私は諦めていた。余生を精一杯楽しく生きれればいいやって…でも私の手をクロが引いてくれた。あのシュンカの花畑で…。」 「…シロリア。泣いてるのかニャ?」 「……。」 「安心するニャ。」 「え?」 「シロリアの病気なんて、すぐ治してやるニャ!だから…笑うんだニャ。」 「…うん。ありがとう…。」 「いつまでも一緒にいるから…ずっと笑うニャ」 「うん、約束…ね。」 「約束…いや、誓いニャ。いつまでも…。」 「一緒に…。」 「いつまでも…一緒に…ニャ…。」 「そして、なんでも治す薬という財宝を求めて旅に出た。いつまでも一緒だから、私も一緒に。」 「一緒…ニャ。」 「これからも置いて行かないで…いつまでも一緒にいたいから。」 「…分かったニャ。ごめんニャ。もう云わないニャ。」 「約束よ?」 「ニャニャ、約束ニャ。」 ●白黒の手伝い4 「ニャ!ロックス!」 「おう。」 「こんにちは、ロックスさん。」 「あぁ、こんにちは。」 「今日も手伝ってもらうニャよ。」 「都合は大丈夫ですか?」 主人公 はい いいえ ▲はい 「じゃさっそく行くニャ。」 「世界樹の根を奉る神殿にある祝福の薬、それが今回ハントするものです。」 道中 「結構歩いたな。」 「こんなに広い神殿もどうかと思うニャ。」 「はぁ…はぁ…。」 「シロリア?」 「はぁ…はぁ…なんでも…な…あっ」 シロリア倒れる 「シロリアッ!?シロリアーッ!!」 「どうした!?」 「発作ニャ…。それも倒れるほどニャ。今回はここで帰るニャ、いいかニャ?」 「あぁ…もちろんだが…。大丈夫か?」 「分からないニャ…。シロリア…すぐ帰っていい医者を探すからニャ。」 ▲いいえ 「ニャー…じゃ少しだけ待ってやるから都合が合ったら話しかけるニャ。」 ●クロの後悔 シロリアの部屋の前にクロがいる。 「シロリアはどうだ?」 「ずっと苦しんでるニャ…。今までで一番酷い発作ニャ。」 「医者は?」 「まだニャ…到着にどうやらもう暫くほどかかるらしいニャ。」 「…また浮かない顔してるな。」 「そりゃそうニャ…。まだ余命は2年ほどあるのに、こんなにシロリアが苦しんでるのは、旅に連れ出した僕のせいニャ…。」 「約束したんだろ?いつまでも一緒にいるって。」 「した…したニャ。でも約束よりシロリアの方が大事に決まってるニャ。シロリアが傷つく約束なら守らないニャ。」 「…(そっとしておいた方がいいっぽいな…。)」 「どっちを守れば…いいんだニャ…。」 ●シロリアの容態 シロリアの部屋の前にクロがいる。 「ロックス…。」 「よう、クロ。医者は来たのか?」 「来たニャ、でも僕が部屋に入ろうとするとシロリアが追い出すんだニャ」 「シロリアが起きたのか?」 「ついさっきニャ。」 「…お前、疲れてる?」 「そ、そんなことはないニャ…。」 「まさかずっとここで寝ずに待ってたのか?」 「ニャ、なんで分かったニャ。」 「くま。」 「はうん…。」 「お前、休んできた方がいいぞ。」 「でもニャ…。」 「お前が倒れたらシロリアが心配するぞ。俺が代わりにここにいてやるからよ。」 「…分かったニャ、ありがとうニャ。10分ほど仮眠をとってくるニャ。」 「(10分て…。)」 数分後 「………。」 「…?声が聞こえるな。シロリアと…医者か?」 シロリアの部屋の中 「ありがとうございます。」 「いやいや、こちらも待たせて悪かったね。」 「それで…どうでしたか?」 「相変わらず、どんな病気かも判明しないよ。ただ内蔵が破壊されていってる、そのスピードは規則的なものだったから余命が診断出来たが…。」 「…。」 「…つ、辛いことだとは思うが…。」 「スピードが上がっているんですね。」 「…あぁ、その通りだ。一年前より5倍の速度といってもいいくらいだ。」 「あと、どれほど私は生きれますか?どれほどクロと…。」 「…半月、だ。」 「そうですか…。半月…、短い、ですね。」 「悪い事は云わない。無茶な旅は止めて安静にするべきだ。」 「…お言葉ながら、それはできません。」 「更に命を削る事になるぞ?」 「いいんですよ、安静にしてることが私にとっては幸せじゃないのです。クロと一緒にいることが私の幸せなんです。だから…。」 「分かった…。好きになさい。」 「余命が半月…。クロには…云わない方がいいよな。」 「ロックス、戻ったニャ。」 「!あぁ、おかえり。早かったな、よく眠れたか?」 「おかげさまでニャ。ありがとうニャ。」 ●シロリアの無茶 シロリアの部屋に入るとクロと寝込んでいるシロリアがいる。 「よぉクロ。シロリア。具合はどうだ?」 「あぁロックスさん、大丈夫ですよ。」 「本当かニャー…。」 「本当よ。先生が云ってたわ、ただの大きな発作だって。やっぱり旅には反対だったみたいだけど、前から何も変わないからって了承してくれたわ。」 「うーん、ならいいんだけどニャ…。」 「…。」 「…クロ、明日からまた行くから、情報集めしてくれないかな?」 「大丈夫かニャ?」 「全然大丈夫よ。」 「…分かった、ニャ。じゃ行ってくるニャ。無理だけはしないで欲しいニャ。」 「クロが云える台詞かしら。」 クロが部屋を出る。 「…俺はシロリアが云える台詞とも思えないけどな。」 「やっぱり、聞いていたんですね。盗み聞きはいけないんですよ?」 「ごめんな、でも都合溶く忘れられそうにない。」 「いいですよ、クロに知れなければ…。」 「いいのか?半月しかないんだぞ?」 「聞いていませんでしたか?寝てるだけの生活なんて私にとっては幸せではないんです。」 「…分かった。でも無茶はするなよ。」 「はい、ありがとうございます。」