物語の舞台・・・セレスト諸島 2つの大陸に挟まれた形に位置する、海運の要所と言われる地方。 大陸に比べると大して土地は広くないが、豊富な地下資源や、海運業を生かした、非常に豊かな地方である。 そして、信仰心が非常に強い土地柄でも有名。 4つの小さな島を領土とする文化大国、ルートアイランド共和国。 西の大陸との貿易で発展してきた商業国家、ブルーフォレスト王国。 そして、南部の砂漠地帯からとれる豊富な地下資源にモノを言わせて軍隊を発展させた軍事大国、サウザンドリーフ帝国。 この3つの国家の総称が、セレスト諸島である。 @・ルートアイランド共和国 信仰心の厚いセレスト諸島の象徴とされるような、文化大国。 他の2国と比べると非常に穏やかな土地柄。 センターシティーとの交易が全盛期の5分の1以下になってしまい、貿易のほとんどをペレストレーラに頼っており、 経済活動が停滞し景気が悪くなっているのが問題とされている。 A・ピュアトゥルー島 主人公の住む、穏やかな島。 1・・・セシレトール 主人公と幼馴染の女の子僧侶が暮らす、静かな街。 街にはホワイトライン聖堂という小さな教会が立っているが、「始まりの教会」という大層な通称がついている。 おもな産業は放牧。南の温暖な海から吹いてくる季節風のおかげで1年中穏やかな気候が保たれており、 牧草の質や畜産の質はブランド物として大陸にも知られている。 2・・・トゥルストール セシレトールの隣村。丸1日歩き続ければ着くくらいの距離。 主人公の幼馴染で、傭兵となっている幼馴染が住んでいる。 セシレトールと違い、南の海からの潮風の影響で土地には塩分が多く含まれており、貧しい土地となっている。 もっぱら盛んなのは傭兵業。質のいい傭兵は評判で、港町であるフィレストールからも多くの傭兵が雇われている。 3・・・フィレストール 小さな港町であり、ピュアトゥルー島の唯一の玄関口。これまた主人公の幼馴染の双子がここで働いている。 セシレトールのブランド畜産を利益に変え、外からいろんな物資が運ばれてくる。 だが最近、海賊の影響で北側との交易がめっきり減ってしまった。 言うまでもなく、盛んなのは貿易。 だが、リベルト海峡は2つの潮流がぶつかる位置にあるので、魚がよく取れるので漁業も盛ん。 B・ルート本島 ピュアトゥルー島と、リベルト海峡をはさんで南側に位置する島。 4・・・フィルーラ フィレストールを通してやってきた珍しい品はここにも運ばれてくる。 また、トレストレーラシティーから運ばれてくる工芸品も、ここから運ばれていく。 おもな産業は、貿易の他には運搬業。 南西のセレスト諸島有数の都市、トレストレーラシティーに物資を運ぶために発達した。 5・・・トレストレーラシティー ルートアイランドの首都で、共和国唯一にして最大の都市。 優雅な暮らしを好む土地柄で、インテリアにこだわりがあったり、肥えた舌を持つ者がたくさんいる。 おもな産業は、上記の特徴の影響もあり、工芸品とスパイス栽培。 特に、信仰心の篤いセレスト諸島には、ここで作られる神像は大人気で、一大産業となっている。 ルートアイランドを支える一大産業ゆえ、国をあげてこの文化産業を手厚く保護している。 6・・・ウッディ自然公園 自然公園と言う名だが、異常にだだっ広い森林でおおわれ、抜けるのには一苦労。 トレストレーラシティー名産の「スパイシーウッディ」の種は、ここで取れる。 また、質のいい木が生えていることでも知られ、工芸品の材料もここで取られている。 7・・・ペレストレーラ ルート本島の最西端、西の大陸への玄関口。 背後にはペレスト大山がそびえたっており、地下資源の宝庫となっている。 産業はやはり西の大陸との繋がりが強いので貿易業だが、もう1つ忘れてはならないのが鉱業。 ここで取れるペレスト岩は透明性がとても高く、トレストレーラシティーや西の大陸で工芸品の材料として重宝されている。 C・フォーカス本島 セレスト諸島のど真ん中に位置する島。通称「セレストの臍(へそ)」。 最近はブルーフォレストとサウザンドリーフとの軍事摩擦に巻き込まれ、生命線である海運業が停滞している。 また、ルートアイランド共和国の領土ではあるが、経済特区となっており、経済面では独立国の扱いとなっている。 16・・・センターシティー セレスト諸島各国をつなぐ、セレスト最大の港町。昔から海運の要所として栄え、市民の生活を潤してきた。 だが、最近は前述のとおり海運業が危険にさらされ停滞し、特にフィレストールとの水道は海賊が現れるようになり、 交易はほとんどなくなってしまっているのが現状。 産業はもちろん海運業だが、海の男達の長旅の疲れを癒す目的から、色町も発展。 夜も街からにぎわいが消えることは無い。 17・・・スカーテル鉱山 センターシティーの北はずれにある鉱山。ここで豊富に取れる地下資源は、何と言っても金。 大量の金鉱が眠っており、日夜トロッコが走り回っている鉱山。 センターシティーの色町はこの金で優雅に見せており、トレストレーラシティーの工芸品にも徴用されている。 その金鉱を悪用しようとする輩も多く、隠し金山も数多く存在するらしい。 さらに、廃水を処理せずにそのまま川にたれ流すため、センターシティーでは鉱毒による公害問題も起きている。 18・・・スカーテル スカーテル鉱山の金鉱夫の街。 見るからにいかつい肉体をたたえた男達が、昼夜を問わず大活躍中。 ここでの産業は当然金だが、夫の留守を守る妻たちが、内職で金のオブジェを作って生計の足しにしている。 それが長い年月をかけて発展し、金細工としてこの町の文化を支えている。 D・ノンアグレス島 原住民人口が極端に少なく、島にいる者の7割が観光客で占める。 19・・・ノンアグレス 大いなる神が祭られる島として有名で、いろんな宗教の「聖地」と呼ばれる場所。 過去に何度もこの島の所有権をめぐって戦争が勃発している。 現在は、文化面に優れるルートアイランドの管轄下に置かれるという形で落ち着いている。 おもな産業はもちろん観光。 トレストレーラシティーやスカーテルでの工芸品目当ての観光客も、数えきれないほどにいる。 8・・・アイソレー島 ルートアイランドとブルーフォレストとの間に作られた人工島。 海中に石油が眠っておりコンビナートがたてられ、給油も可能と言うハイテクアイランド。 西の大陸との交易の中継地点として使われることもある。 A・ブルーフォレスト王国 GDP(国内総生産)が世界有数と言われる商業大国。 人口は大部分がハーヴァーに集中し、他の村や街はハーヴァーシティーの産業のために利用されている場所がほとんど。 そのおかげで、一部の資本家だけが豊かな暮らしを送り、労働者やほかの村の原住民は貧しい生活を送っている。 総じて貧困問題が指摘されているが、経済を悪化させたくない故に国も資本家から賄賂を受け取って見て見ぬふりをしている状態。 9・・・ハーヴァーシティー ブルーフォレストの首都にして、世界最大級を誇る商業都市。 街には活気があふれ、ビジネスホテルが立ち並び、日夜資産家がトレーディングに明け暮れる。 非常に豊かな都市なのだが、その影では労働者が労働基準法をはるかに超える重労働を強いられている。 町はずれには労働者たちが住むスラム街も点在しており、不衛生で疫病も起きている。 おまけに国は資本家を優遇する政策ばかりをとり、労働者は重税にも苦しめられている。 これらの労働問題に加え、シティ内ではマフィアが暗躍していたり、資本家を狙った詐欺集団による被害も多発している。 おもな産業は貿易業、金融業が主だが、紡績業も盛ん。 紡績機の発明以降、街の至る所に大きな工場が立ち並び、ランブールなどで取れた質のいい羊毛などから、 上記の労働者を使って大量の糸や布を生産し莫大な利益を上げている。 20・・・ターリェン山 ハーヴァーシティーとランブールをつなぐ山脈。 鉄道がしかれ、日夜ランブールからハーヴァーシティーに羊毛が運ばれていく。 だが、鉄道はハーヴァーシティーの資本家専用で、他の者は長い山脈を歩いて縦断しなければならない。 10・・・ランブール 緑豊かな土地で、原住民は移動式住居「ウゴーク」を使って放牧をおこなっている。 質のいい羊がいることで知られ、ハーヴァーシティーの資本家はこれに目を付けた。 昔は羊毛から作られる質のいい布を作ることで知られていたが、飛び杼の発明とハーヴァーシティーの経済発達により、 今は羊毛をハーヴァーシティーの資産家に安く買いたたかれ、すっかり貧しい生活となってしまった。 11・・・セントノース ブルーフォレスト北部の村。 オブテクル山脈を背後に控えており、周りに町や村がない影響から「陸の鎖国」とも呼ばれている。 その土地柄か、宗教心が非常に高いと言われるセレスト諸島の中でも最大の宗教都市と呼ばれている。 産業もやはり宗教に関するものが多い。 僧や尼を大量に抱え、宗教に関するイベントや結婚式、葬式などを催す際は、セントノースの僧を高い金で連れてくることが多い。 資本家たちにとっても無視できない存在で、神のご加護を受けるために自分専用の僧侶を置いている資本家も多い。 そのおかげで、金や女に眼の眩む僧侶も多数おり、宗教都市でありながら風紀の乱れが問題になっていたりもする。 21・・・オブテクル山脈 ブルーフォレストを3分割する、T字状の山脈。 特に南側の最先端、ゴッカン山は標高4483mを誇り、「神に最も近い山頂」と呼ばれている。 石油が豊富にとれ、パイプラインを通じてハーヴァーシティーまで運ばれる。 蒸気船の燃料として重宝され、それ故に別名が「ハーヴァーの脚」とも呼ばれている。 12・・・ホリートン ブルーフォレストの最東端に位置する、広大な平野が広がる土地。 平野の周りは山脈でおおわれている形になっているので、比較的穏やかな気候。 「セレストの穀物庫」とも呼ばれ、小麦の一大産地となっている。 上記のとおり、セレスト有数の農耕地帯。 原住民の人口はかなり少ないので「村」扱いだが、その人手不足を解消するために、 広大な農耕地の殆どは、エイワンから買ってきた奴隷に働かせている。 エイワンでは奴隷問題が起こっているが、「セレストの穀物庫」とも呼ばれる故に、 その機能を失うと食糧不足の懸念が起こるので、なかなか問題が解決しないのが現状。 13・・・バテリー ターリェン山と、ストラテ海峡をはさんで位置する、ブルーアイランド最大の軍需地帯。 ストラテ海峡の奥に位置する大都市・ハーヴァーシティーを守るには、 海峡に面し、ブルーアイランド最大級の川、チョーコーがあるおかげで工業用水にも困る事は無く、 地理的に格好の場所と言うわけで、大本営となった。 元々は小さな村で原住民がのどかに暮らしていたが、上記のとおり軍の介入によって町はずれに追い出された過去を持つ。 昔は農耕地帯としてそれなりに栄えていたが、ホリートンの発展と軍の介入によってすっかり廃れてしまった。 今は軍人や将校のために、食堂やバーを開いて生計を立てている原住民がほとんどとなっている。 22、23・・・ツーワン山脈 バテリー、エイワンとサスワンを分断する険しい山脈。 標高も3000超えが当たり前で、山肌も固く地下資源も乏しい。 それゆえにハーヴァーシティーの資本家たちも、サスワンには利用価値がないと考えている。 14・・・サスワン 背後にはツーワン山脈が控え、陸の鎖国と呼ばれるセントノースに対し、こちらは「陸の孤島」と呼ばれている。 土地柄もセントノースをさらに上回るくらいに閉鎖的で、少ない原住民が他の場所からの一切に介入を受けずに暮らしている。 そして何と言っても最大の特徴は、女しか生息していないということ。 女だらけの、男子禁制の土地で、農業や植物採取でのどかに暮らしている。 だが、子孫は残さないといけないので、出産適齢期になるとほかの街に出て行って男と交わる。 その大半は色町で栄えるセンターシティーに出向くことが多く、色町の女手の確保にも一役買っている。 15・・・エイワン 西側からハーヴァーシティーを支える、ブルーアイランドもう1つの港町。 ハーヴァーが西の大陸との交易を重視するのに対し、こちらはセンターシティーをはじめとしたセレスト内での交易が主。 ホリートンから仕入れる穀物を各地に輸出して、大きな利益を上げている。 おもな産業は貿易業の他に、ホリートンの農耕用に仕入れている奴隷と、それが売られる奴隷市場。 倫理的な問題となっているが、前述のとおりホリートンはセレスト最大の農耕地帯なので、 なかなか問題を解決することができないのが現状。 ちなみに、エイワンとハーヴァーシティーを結ぶ道路は、通行手形を持った者にしか使えない。 専用道路にして治安を良くし、ハーヴァーへの輸送を安全かつスムーズにするというもの。 そのおかげで、手形を持たない者は北か南の激しい山道を大回りしなければならなくなっている。 3・サウザンドリーフ帝国 セレスト一の軍事大国。 その圧倒的な軍事力でルートアイランドとブルーフォレストを脅かし続けてきた歴史を持つ。 南部での豊富な地下資源にモノを言わせ、軍の拡張をここ数年推し進めており、 さらにそれを生かさない手は無いと主張するピレス党(通称・鉄血政党)が発足し、勢力を伸ばしている。 また、東の大国との交易にも力を入れており、そのおかげで東部の方は経済的に豊かとなっている。 その経済力をさらに高めるために部分的な自治を認めており、3つの都市を合わせて「スリーウェル自治区」と呼ばれている。 24・・・レフティストシティー 軍事大国であることを象徴する、サウザンドリーフ帝国の首都。 あちこちに軍需工場が立ち並び、軍人専用のレストランやバー、ラブホテルなどが立ち並ぶ。 周りは海と山に囲まれ、攻めに守りに適した天然の要塞。 軍需に偏った予算な上に帝政なので、税金が重く、治安悪化阻止法が作られ表現の自由や人権が規制されている問題が指摘されている。 また、他民族への敵対思想が非常に強く、ウィルマー民族への弾圧がおこなわれているのも非難の的となっている。 そして、経済力の大部分を軍需に注いでいるおかげで、市民に十分食糧が供給されず、飢饉も問題となっている。 故に、スリーウェル自治区への亡命者が後を絶たない。 おもな産業は、海軍がとくに発達しているため造船業が盛ん。 軍隊に力を入れているだけあって造船技術は相当高く、世界各国から注文を受けている。 26・・・ティッキー山 サウザンドリーフを北と南に分ける山岳地帯。 サウザンドリーフ帝国が北部を制圧するようになってからは鉄道も整備され、簡単に北へ向かう事が出来る。 もちろんそれは軍隊に限っての話で、それ以外の者は歩いていかなければならない。 27・28・・・ションリー鉱山 サウザンドリーフの南部を東西に二分している山脈。 南部で石油が取れるものの、鉄鋼の材料を輸入に頼っていたサウザンドリーフだったが、 このションリー鉱山で大量の鉄鉱石が見つかったのはまさに朗報で、軍事的地位を一気に高めることとなった。 コントロッレに入る事を許されないものは、レフティストシティーからここを抜けてスリーウェル自治区を目指す物が多い。 過酷な道のりになる上、当然法的にも違反なので、見つかれば即処刑と言う、死と隣り合わせの亡命である。 25・・・コントロッレ レフティストシティーを背後から守る交通の要所。 スリーウェル自治区への玄関口となっており、北にも鉄道がつながっている。 だが、軍事的な防御の要でもある事から治安に対してはことのほか敏感で、許可証を持っていなければ街にはいることすらできない。 街は巨大な塀に囲まれており軍事的防御力は非常に高く、郊外にはバリケードも仕掛けられており一切の侵入者を東西に通すことは無い。 主にスリーウェル自治区からレフティストシティーに物資を運ぶための中継地点として使われている。 そのためコンテナや倉庫が街中に大量に置かれている。 E・スリーウェル自治区 サウザンドリーフの東側に位置する、5つの町の総称。 フォーカス本島と違い経済特区指定は受けていないものの、経済的な面での自治を認められている。 物が行き交い非常に活気にあふれており、貧しい暮らしをしている他の地方の者にとっては憧れの場所となっている。 特に、下記のとおり三大産業が非常に盛ん。 29・・・ランドワーツウェル ホリートンと並ぶ、セレスト最大の農業地帯。 広大に広がるクラフト平野で大規模な農業がおこなわれている。 ホリートンの農耕は小麦が主力だが、ランドワーツウェルは多種多様な穀物、果物、野菜などを育てている。 また酪農、畜産も盛ん。 上記のとおり非常に農業が盛んで、食べ物が豊かな土地柄。 その中でも「ドーブルワイン」は、ワインの中でも最高峰のブランド物として知られている。 30・・・イッティーウェル セレスト最大の漁業地帯。 すぐ隣のロッテル海峡は潮目が存在する故に優良な漁場となっており、収穫量はフィレストールの比ではない。 養殖も盛んで、特に昆布やカキの生産が多い。 他には上記の水産業を生かして、缶詰の生産が盛ん。缶詰はインダストウェルで作られたものを使い、 魚介類以外にもランドワーツウェル産の肉や穀物の缶詰を作っている。 携帯食料として非常に有能なので、軍事国家であるサウザンドリーフには重宝されている。 31・・・インダストウェル ハーヴァーと並んで、セレスト最大の工業地帯。 戦艦や戦車、銃の部品や、上記の缶詰缶などの加工を主に手掛ける。 大規模な工業地帯となった背景には、西のションリー鉱山、南のサンドウァストの油田と、地下資源に恵まれた地理がある。 また、医学、薬学も盛んで、世界の医学の権威であるインダストリアル医大がある。 土地柄の関係上、工学研究も盛んで、マテリアル工科大学も有名。 ハイレベルな学問を学びたいという将来有望な学生の憧れの的であり、通称「学生の都市」とも呼ばれている。 34・・・ウィルウィン 小さな港町。 住民も少なく、主にイッティーウェルとイーストンをつなぐ中継地点として使われる。 35・・・イーストン セレスト最東端の港町。東の大陸への玄関口でもある。 古くから交易の場として栄えた港町で、民芸品や香辛料と言った珍しいものや、鉄鋼と言った物資まで、様々なものが行きかっている。 特にスリーウェル自治区の土地柄を生かした、加工貿易が非常に得意。 また、大陸から運ばれてくる書物や情報も、貴重な輸入品である。 特に書物の中には、神学に関する貴重なものも多くあり、その多くはインダストリアル医大の中央図書館に所蔵されている。 32・・・ヴィレスタットシティー サウザンドリーフ南部の大都市であり、トレストレーラシティーと並ぶセレスト最大の文化都市。 工芸品や美術品など、「物」の文化に富むトレストレーラシティーに対し、こちらは「者」の文化に富む。 ここ百年の間にセレストでは舞台や活動(=映画のこと)が大衆文化として普及。同時に、舞台俳優や映画俳優を志す者も増えた。 それに目をつけ、俳優を育てるアクタースクールや、活動を作る制作プロダクションを街をあげて勃興させ、手厚く保護している。 また、写真技術の発達で「雑誌」というものも普及し始めた。 ここで養成された俳優が舞台や活動、雑誌で大活躍している事もあり、俳優などを目指す者にとっての聖地である。 だが、もちろんアクタースクールの卒業生全員が順風満帆に生きられるわけではない。 ハーヴァーシティーなどで労働者として苦しい生活を送りながらオーディションを受ける者もいれば、バーで軍人や船乗りの相手をしたり。 場合によっては夜の相手をしなければならないものも出てくる。 センターシティーでの色町を支えるのは、大半がサスワンと、ここヴィレスタットシティーの俳優の卵である。