あらすじ 大木「世界樹」より芽吹く命 期待とは裏腹に戦争を始める ----- 一本の大木と、大木の包み込みし小さな闇の夫婦が産み出したこの世界。 その大木が振り落とした種は、伸びる根の上に宿り。海を沸き出し、その隣には大地も作りて、様々な生き物を芽吹かせ。 闇は大地に、海に、生き物達に意思を与えて、自立させた。 大木はその後も生き物達に恩恵を与え、生き物達は闇の助けを得て、時には自らの力もあり進化を遂げながらも、大本であるその大木への感謝を忘れず。 生き物達はその大木を「世界樹」と呼び、時に祀り、祈り。彼らなりに共存を計っていた。 世界樹は生き物達の営みを眺め、自身の想像し得ぬ成長を遂げる彼らを、知らずのうちに興味の対象としていた。 ある時世界樹は闇と一緒に、彼ら生き物を模ったモノを創り上げるが、それだけには飽き足らず。彼ら生き物の下へ放つと、彼らとそのモノはすぐに馴染み、変わらない営みを始めた。 どちらも自身達の創り物であるというのに、世界樹は、まるで全く知らぬ者に認められたかのように、その事を闇と一緒に大そう喜んだ。 しかし世界樹らの見る夢は、とても儚い物であった。 生き物達は世界樹の恩恵をより多く得られるよう、分離し、争いを始めたのだ。 闇は、私が悪いのだ、と泣き言を現し。世界樹はそれをなだめつつ、まだ彼らを信じていた。 それでも争いは止むことなく広がっていく一方で。失意に突き落とされた世界樹は、やがて意志を闇に任せるようになった。 ----- 戦火の飛び交う生き物達の世界では、二つの勢力が争い合っていた。 互いに相手を異端者とすることで、同じ目的のために団結し。内面ばかりは穏やかになっても、その一方で広がり続ける戦火は地を海を染め、やがて世界の根にまで一角を突き立てる。 一方で、その世情をよしとしない者も大勢いた。若い狼の青年、ロックスも、そう思うひとりであった。 彼には昔の記憶が無いながらも、生き物達が争い合い、亡くなっていく現状を、好ましくは思っていなかった。 しかし自分に何か出来るか、と問うと、その答えは帰ってこない。 歯がゆい思いを毎日堪え続け、ある時、答えともない小さな可能性を見かけた。 世界樹の根を祀る神殿。それを巡る巫女様が、この不安定な世情に護衛が欲しい、との事。 ロックスは自ら名乗り出て、護衛のひとりとして、世界を巡ることになる。 戦火を真近で感じ、時に呼びかけ、時には解決する策を何か見いだせないか。そのような思いで世界を巡り始めたのだ。 ----- 神殿と言っても警備などはない物だったのだが、いざ来ると何者かが入れぬように通路を塞いでいた。 争うのは不本意ながらも、話も聞き入れてもらえず、巫女様を傷つける訳にも行かずしぶしぶ打ち倒すと、その生き物は見ている前で、光となりて消えて行った。 唖然としながらも、何も残らないその場を後にし、神殿を奥へ進み。やがて根を祀る場所に辿り着くと、巫女様が祈りを捧げる。 するとロックスの体に、がつんと強く入り込んで来る感情があった。 憎い、滅ぼせ、いやもう少し待たれよ、消えてなくなれ 何事かと辺りを見回しても、何かをつぶやいているらしき者はおらず。不思議に思いながら次の神殿へ向かうが。次のその神殿でも、同じ事が起こった。 実体の有って無い生き物と争い、覚えのない感情が降り注ぐ。 一体何があるのだろう、と思いながらもやり場の無い思いが頭の中で暴れ、ほとほと困り始めていた。 ----- ロックスがそうしている間にも、戦火を広げる者達は、何かに取り憑かれたかのように争い続けていた。 やがてその側を通ると、争っている当の生き物も、何故争っているのか分からないのだという。 ならば争いを止めてはどうか、と申してみても、さすれば敵側に無防備を晒し、潰されるだけであると言葉に現す。 歯がゆい思いそのままに。神殿にて降りかかってきた、負の感情を重ね合わせつつも。戦火の地を後にし、本来の目的である巫女様の護衛へと戻るのだった。 ----- 神殿を巡っていくうちにロックスは、その各所に張り付いていた生き物ならざる生き物から、幾つかの話を聞いた。 我々は世界樹を"あるじ"とするゴーレムであり、あるじの目となり耳となり、世情を伝えるのが目的であるが、同時に意志を代行するものでもあると。 祀られている根から感じ取る感情は、様々なゴーレム達の記憶なのだと。 ロックスも、世界樹の意志を代行すべきはずの、ゴーレムのひとりであると。 そして世界樹の意志は、この世界の破滅であると。 他の皆はその話を信じはしなかったが、ロックスはひっかかる思いで、半信半疑といった感じだった。 巫女様が祈りを終えると、温かな光が根より迸る。それが破滅の意志とは、どうしても考え難いものであったが。ただ、そのゴーレムの言っていた事に、いささか共感を覚えていた。 そうこうして神殿を巡っていくうちに、次々と分かることが増えていった。 今の世界樹は意志を失っており、また、負の気を放ち生き物達の精神を歪めていること。 しかし根に祈りをささげることで浄化され、その部分部分だけでも負の気がなくなること。 世界樹が意志を失った理由はつゆ知らず、ただ以前の世界樹は平和を願っていたこと。 世界樹の意志を代行する者として。ひとまずは、知らずのうちに世の中に漂っていた負の気を払拭するため。 改めて巫女様の協力を仰ぎ、神殿巡りを続けるのであった。 ----- 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 神殿を浄化していく内に、旧世界樹の意思を新世界樹の中に見つける。 その意思に従い、ついに全ての神殿を浄化する主人公一行。 そして、全ての神殿を浄化した時。 世界に光が満ちた。 しかし戦争は止まらない。互いに意味も分からず戦っている状態。 そんな激突の渦中へと割り込む主人公とニダニダうるさい壁。 主人公の説得と壁の防御力により両者を説得、停戦の協定を結ばせる。 そして、一番危険なのが新世界樹と伝える。 半信半疑ながらもその言葉に従い、戦いの矛先は世界樹へと向けられる。 世界樹が放つゴーレムと2勢力の軍が争いを繰り広げる中、主人公一団は世界樹へと向かう。 そして、世界樹の下に辿り着いた主人公は、世界樹の記憶領域へのダイブに挑む。 世界樹の記録の中に広がる世界で、かつて相手にしたゴーレムと対峙するが、その相手を説得しつつ先へと進む。 そして、世界樹の記録の中核へとたどり着く。 主人公の「旧世界樹の力」と巫女の力により、旧世界樹の記録が蘇る。 しかし新世界樹がそのまま通すはずもなく、最後の抵抗をしかけてくる。 だが主人公たちがその暴動を抑えきり、ついに新世界樹を旧世界樹へと戻す。